eラーニングとはe-Learningの意味や利点、学習教材やLMSシステムについて解説

eラーニング(e-Learning、イーラーニング)とは、おもにインターネットを利用した学習形態のことです。いままでの集合研修にはない、多くのメリットがあります。

こんな方におすすめ

eラーニングの歴史

eラーニングまでの道のり

従来の集合研修と呼ばれる学習形態は、

などの理由により、時間やコストの面で問題がありました。ビデオ教材などもありましたが、一方的な情報の提示のみで学習者側からのアクションが行えず(非対話型)、学習効果が高いとはいえませんでした。そのため『コンピューターを利用して教育を支援できないか』との考えが模索されました。

各生徒の理解度に応じた学習の内容を、状況に合わせて提示するシステムはCAI(Computer Aided Instruction:コンピューターによる支援教育)と呼ばれ、米国をはじめ世界各国で研究が開始されました。

CD-ROMを利用した学習

上記のアイデアをもとに、CBT(Computer Based Training:コンピューターによる教育研修)とよばれる、おもにCD-ROMを教材とした学習が開始されました。CD-ROMの大容量の特性を生かし、動画や音声などのマルチメディアを活用したインタラクティブ(対話的)なコンテンツが効果的に利用されました。

CBT(Computer Based Training:コンピューターによる教育研修)

しかし、

などの問題点を持っていたことも事実です。

CBT(CD-ROM教材)は、一度配布してしまうと内容の修正が難しい

インターネットを利用した学習へ

インターネットの発展、および企業内のネットワークの広がりと共に、さらに発展したものがWBT(Web Based Training:インターネットなどのWeb利用による教育研修)です。

eラーニング(e-Learning)で学習CBTでは受講者の進捗情報はそれぞれの端末(クライアントコンピューター)に保存されていましたが、WBTではインターネットを通じて、学習履歴をサーバーに一括して管理します。

また、学習教材そのものもサーバー上に保存して、直接学習者のコンピューターに配信することにより、CD-ROMなどのメディアを配布するコストをおさえられます。

プログラムもサーバー上に集中管理できるので、不具合などが発生してもサーバー上のファイルを変更するだけで、学習者は最新の教材を常に受講できます。

これにより、制作者はより柔軟なメンテナンスを行うことができます。

さらに受講者としても、ネットワークに接続さえすれば自分の自由な時間に受講でき、それぞれの進捗に合わせて最新の教材を学習できるというメリットももたらしました。

このようなオンラインでの教育は、現在では総称してeラーニングと呼ばれ、集合教育のスタイルに大きな変化をもたらしています。

「eラーニング」の日本での呼称は必ずしも統一されておらず、「e-ラーニング」「e-Learning」「elearning」「イーラーニング」など表記のゆれがあります(「eランニング」は、誤った呼称です)。また、同じような用語として「Webラーニング」「ITラーニング」「ICTラーニング」「オンライン学習」など、いろいろな形で呼ばれています。

モバイル端末で「いつでも・どこでも学習」

21世紀となりデジタルデバイスも多種にわたり、よりパーソナルなものへと発展してきました。

に代表される、スマートフォン・タブレットなどのモバイル端末も身近となり、モバイルラーニングmラーニング(m-Learning)と呼ばれる「いつでも・どこでも学習」「マルチデバイス対応」が注目されています。

モバイルデバイスは発展めざましく、ハードウェアのパフォーマンスなど日進月歩で進化しています。

そのため、パソコン、タブレットPC、スマートフォン、携帯電話といった、通信速度も画面のサイズも異なる複数のデバイスで同等の教材を配信することは技術的にも難しい面があり、教育効果を維持したまま各デバイスでどう最適化をすべきか、研究が進められています。

学習者をつなげる、ソーシャルネットワーク

学習教材の配信だけでなく、掲示板やブログ、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)などを組み合わせる手法も取り入れ始められています。

「制作(配信)者 → 受講者」といった一方通行のコミュニケーションだけでなく、「受講者どうし」がを支援し合えるようなコミュニケーションスタイルは、学習計画や学習意欲を向上・維持するのに高い効果が期待されています。

ブレンディッドラーニングとは

これら多くの「人」「もの」「学習形態」などを組み合わせた教育手法は、ブレンディッドラーニングと呼ばれます(ブレンド=異なる種類を混ぜ合わせる融合型)。

eラーニングだけでは、すべての環境で最善策にはなりえません。従来型の対面型授業、人と人との授業と併用し、支え合うことで、教育効果の相乗効果も生まれます。

最適なシーンで最適な方法を選択することが、これからのeラーニングの重要なポイントです。

SATTでは対面型の研修サービスとして、アドビ認定トレーニングセンターm-School(エムスクール)を運営しています。

企業研修でのeラーニング

経営を支える要素は数多くありますが、経営にとって大切なひとつに人材教育があげられます。

eラーニングと言われると学校や予備校を連想しがちですが、企業にとってもビジネスを成功させる重要なキーワードです。

企業研修や社員教育の低コスト・高品質を実現するには、従来の方法だけは現代のスピードにはついていけません。

eラーニング/ICT教育では、デジタルデバイスを有効活用するため、学習結果の数値化や定量化が柔軟に行えます。そのため、企業全体のスキルのボトムアップなどで、特に威力を発揮します。

利用環境や職種などを考えた、eラーニングを含む多角的な教育が必要となります。

“ICTを駆使したスキルの定量化”で企業の成長を支援!bizsmile(ビズスマイル)で、お客さまの企業の成長を支援します。

eラーニングの利点・メリット

学習する立場からのeラーニング

学習者・生徒から見た、学習方法のメリット・デメリット一覧です。

学習方法のメリット・デメリット
学習者、生徒の場合
学習方法 メリット デメリット
非同期型
オンデマンド
eラーニング
  • 職場や自宅などで学習できる。
  • 自分のペースで学習できる。
  • 進捗状況やテスト結果などのフィードバックが即座に確認できる。
  • 結果をもとに最適な学習方法が選択され、効果的に習得できる。
  • 操作説明など、画面上の動きがわかりやすい。
  • 音声や動画により、学習理解度をさらに深められる。
  • スポーツなどの実技がともなう学習では、効果的に習得しにくい。
  • 一般的に、リアルタイムに講師側との交流が取れない。
モバイルラーニング
  • いつでも気軽に学習できる。
  • (そのほか、eラーニングのメリットと同じ。ただし動画再生など一部制限あり)
  • 学習画面が小さい。
  • 文字の入力などに制限が出やすい。
ビデオ
DVD
  • 自分のペースで学習できる。
  • 操作説明など、画面上の動きがわかりやすい。
  • 音声により、学習理解度をさらに深められる。
  • ビデオやDVD機器がある場所でしか習得できない。
  • 学習者側からの操作やアクションが行えない。
書籍
テキスト
  • いつでも気軽に学習できる。
  • 自分のペースで学習できる。
  • 文字と静止画のみのため、動きがある解説がわかりにくい。
同期型
リアルタイム
遠隔授業
テレビ授業
  • 職場や自宅などで学習できる。
  • 遠隔を行うための機材を個別に設置する必要がある。
  • 学習する時間が決まっている。
対面授業
集合研修
  • 人対人で、詳しい内容を直接学べる。
  • 開催会場に出向く必要がある。
  • 学習する時間が決まっている。

学習してほしい立場からのeラーニング

企業や学校の教育担当者・講師・先生から見た、学習方法のメリット・デメリット一覧です。

学習方法のメリット・デメリット
企業や学校の教育担当者、講師・先生の場合
学習方法 メリット デメリット
非同期型
オンデマンド
eラーニング
  • すべての学習者の進捗管理が自動的に処理されるので、チェックや集計が迅速に一括で行える。
  • 教材やプログラムはサーバーに保存されているので、改変が迅速かつ容易。
  • 最新の教材を全学習者に一律に提供できる。
  • 導入以降のコストを削減できる。
  • 書籍などに比べると学習教材を制作する手間やコストがかかり、また作成技術が必要となる。
  • 教材配信・履歴管理するためのシステム(LMS)が必要になる。
モバイルラーニング
  • (eラーニングのメリットと同じ)
  • (eラーニングのメリットと同じ)
ビデオ
DVD
  • 撮影したビデオをそのまま教材として利用できる。
  • システムを構築する必要がない。
  • 学習進捗の状況がわからない。
  • 学習結果の集計などが行えない。
  • 撮影が必要になる。
  • プレスや配布の工賃がかかる。
  • 内容に不具合があった場合に修正が難しい。
書籍
テキスト
  • コンピューター教材に比べると、教材の制作ために必要な技術が必要ない。
  • 学習進捗の状況がわからない。
  • 学習結果の集計などが行えない。
同期型
リアルタイム
遠隔授業
テレビ授業
  • 対面授業などと同じ間隔で授業を行える。
  • 遠隔を行うためのシステム導入にコストがかかる。
  • 授業内容を常に等しいクオリティで保つのが難しい。
  • 学習結果の集計に手間がかかる。
対面授業
集合研修
  • 人対人で直接教えるため、学習者の修得度などが詳しくわかる。
  • 学習の進捗状況をすべて人間が対応する必要があるため、工数やコストがかかる。
  • 講師、学習者全員の日程を合わせ、同一の場所に集まる必要があるため調整が難しい。
  • 授業内容を常に等しいクオリティで保つのが難しい。
  • 学習結果の集計に手間がかかる。

eラーニングの実施に必要なもの

学習管理システム(LMS)

eラーニングを導入するにあたり、教材ごとに管理プログラムを作成するのは非効率的ですし、学習状況のデータにもばらつきが出てしまいます。

そこで、ソフトウェアを動かすOSのような一元化したプラットフォームとして学習管理システム(LMS:Learning Management System)をサーバーに組み込めば、学習環境を統一化できます。

LMSのおもな機能は2つあります。

  1. 学習者と教材の管理
  2. 学習者の進捗状況の管理

「学習者と教材の管理」は、たとえば『マネージメント教材を来月のはじめから公開しよう』『新入社員や就職内定者だけに、ビジネスマナーの教材を受講させよう』など、学習者と教材に関する機能です。受講する教材と学習者を割り当て(マッチング)させる役割もあります。

「学習者の進捗状況の管理」は、『学習者がどの教材を完了したか』『テストは何点獲得し、合格したか否か』などを、管理者が一元的に把握できます。

さらにLMSについて詳しく知りたい方は、LMS(学習管理システム)とはをご覧ください。

学習管理システム

SATTでは、クラウド型eラーニングシステム「学び~と(まなび~と)」を公開中です。詳細は製品紹介サイトよりどうぞ!

学習教材

eラーニングを運用する環境(インフラ)が整ったとして、次に重要となるのが学習教材(学習コンテンツ、e教材)です。たとえ高価なシステムを導入しても、学習効果のある教材がなければ宝の持ち腐れです。

学習教材は、オーサリングツールと呼ばれる編集用のソフトウェアで作成するのが一般的です。

教材を作成できるAdobe Captivate(アドビ キャプティベート)は、プログラミングの知識がなくても、デスクトップ上の動きを保存できたり、テスト問題を簡単に作ることができます。LMSと連携するeラーニング教材としても出力できます。

昨今では、ホームページを記述する際に利用されるHTMLの最新規格「HTML5」と、同じくホームページのデザインレイアウトを定義するCSS(カスケーディングスタイルシート)の最新となる「CSS3」を利用した教材の需要も高まっています。以前のバージョンとなるHTML4およびCSS2だけでは難しかった表現が、最新の規格を利用することで簡潔に作成できるように進化しています。

SCORM(eラーニング共通化のための標準規格)

LMSとeラーニング教材、この2つを結びつけるのがSCORM(スコーム:Sharable Content Object Reference Model)と呼ばれる、eラーニングにおける世界標準の規格です。

SCORMは、映像再生でいえばDVDやBlu-rayという規格に例えられます。DVDやBlu-rayなどの決まった規格があるため、映画やドラマも問題もなく楽しむことができます。これを規格外で作成してしまうと再生できないため、だれも見ることができません。

また制作者としても、規格にあったメディアさえ作れば、大勢の人に購入してもらえるというメリットが生じます。

eラーニングの世界でも「SCORM規格のLMS」「SCORM規格の学習教材」が存在し、先の例と同じようなメリットを利用者・制作者は得ることができます。

また、SCORMにはSCORM技術者と呼ばれる認定資格制度が存在し、eラーニングのスペシャリストとして活躍しています。

さらに詳しくSCORMについて知りたい方は、SCORMとはのページをご覧ください。

学習者への支援

これまでご説明した項目はどれも重要なキーワードですが、近年重要視されているのが、学習アドバイザーチューターと呼ばれる学習者を支援する人たちの存在です。

eラーニングによる継続的な学習は、個人のモチベーションを高く保持することが大切です。

しかし、すべての教材を完璧に作成することは難しく、説明もれがあったり、人によっては理解できない事項が含まれる場合もあります。

解消できないでいると、以降の学習意欲や理解度が低下してしまい継続することが難しくなります。

学習アドバイザー、チューターの役割

このような事態を防ぐために、学習者の質問に答えたり、学習者を励ましたりする人の存在が重要です。メールや掲示板、インターネット会議などを駆使し、最適なコミュニケーションを行います。

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