第111回 薬剤師国家試験の出題傾向・対策について解説
2025.12.1公開
薬剤師国家試験は毎年出題傾向が変化し、効率的な対策が合否を大きく左右します。第111回薬剤師国家試験に向けて、「どの科目から勉強を進めるべきか」「難しい領域はどこなのか」と不安を抱える受験生も多いはずです。本記事では、薬剤師国家試験予備校メディセレ代表・児島惠美子氏に、最新の試験動向と効果的な学習法を解説いただきます。長年の指導経験に基づくリアルな分析をもとに、得点源となる科目、注意すべきポイント、さらには模試や予備校活用のコツまで、合格に直結する情報をまとめました。国家試験対策にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
第111回薬剤師国家試験の概要
試験日程
第111回薬剤師国家試験は、以下の2日間で実施されます。
- 2026年2月21日(土)9:30~17:45
- 2026年2月22日(日)9:30~18:00
1日目 2月21日(土)の試験スケジュール
| 時間 | 区分 | 試験時間 | 科目 |
|---|---|---|---|
| 9:30~11:00 | ① 必須問題試験 | 90分 |
物理・化学・生物/衛生/薬理/薬剤/ 病態・薬物治療/法規・制度・倫理/実務 |
| 12:30~15:00 | ② 一般問題試験(理論問題) | 150分 | 物理・化学・生物/衛生/法規・制度・倫理 |
| 15:50~17:45 | ③ 一般問題試験(理論問題) | 115分 | 薬理/薬剤/病態・薬物治療 |
2日目 2月22日(日)の試験スケジュール
| 時間 | 区分 | 試験時間 | 科目 |
|---|---|---|---|
| 9:30~11:35 | ① 一般問題試験(薬学実践問題) | 125分 | 物理・化学・生物/衛生/実務 |
| 13:00~14:40 | ② 一般問題試験(薬学実践問題) | 100分 | 薬理/薬剤/実務 |
| 15:30~18:00 | ③ 一般問題試験(薬学実践問題) | 150分 | 病態・薬物治療/法規・制度・倫理/実務 |
合格基準および各科目の足切り点について
以下のすべての条件を満たすことを合格基準とすること。(なお、禁忌肢の選択状況を加味する。)
- 問題の難易度を補正したうえで算出される総得点が、平均点や標準偏差を基に定められた基準点を上回っていること
- 必須問題では、全体の配点に対して70%以上の得点があり、さらに各科目ごとの得点がそれぞれ配点の30%以上であること
必修問題
| 科目 | 物理 ・化学・生物 |
衛生 | 薬理 | 薬剤 | 病態・治療 | 法規 ・制度・倫理 |
実務 | 出題数計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 出題数 | 15問 | 10問 | 15問 | 15問 | 15問 | 10問 | 10問 | 90問 |
| 合格基準 | 5問以上 | 3問以上 | 5問以上 | 5問以上 | 5問以上 | 3問以上 | 3問以上 | 63問以上 |
| 各科目30%以上 | 70%以上 | |||||||
合格基準推移

薬剤師国家試験の出題傾向
昔から出続ける問題はあるのか?
薬剤師国家試験は今回111回目を迎えます。時代は移り変わり、薬のトレンドも治療トレンドも変化していますが、昔から変わらず出続ける問題というものも存在します。
国家試験で新薬は出題されるのか?
薬剤師国家試験においては、薬事関係法規など定期的に変わる部分もあれば、医療現場では新薬も登場します。暗黙の了解として「広く一般的に知られるようになったものを国家試験に出す」というルールがあるため、新薬はすぐには出題されないということになります。しかし一方で、世間で騒がれたりしたものについては出題されることがあるため、注意が必要です。
コアカリキュラム改訂の影響はあるのか?
医療現場では治療方針のガイドラインが変わったり、ファーストチョイスの薬が変わることもあるように、薬学教育のコアカリキュラムも定期的に改訂されます。ただし、こちらも改訂されたからといってすぐに変わるわけではなく、浸透してから国家試験に反映されるように配慮されているため、過敏に反応する必要はありません。
領域別の出題傾向・対策
得点源の科目と難しい科目が存在する
国家試験は、足切りにならないことと総点が何点かが合否判定基準になりますが、科目ごとに見ると、得点を上げやすい科目と上げにくい科目が存在します。
第110回の正答率比較
| 80%未満 | 70%未満 | 60%未満 |
【必須】
| 全体 | 物化生 | 物理 | 化学 | 生物 | 衛生 | 薬理 | 薬剤 | 治療 | 法規 | 実務 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 110回 | 81.3% | 81.4% | 77.7% | 85.5% | 81.0% | 86.6% | 88.1% | 80.9% | 64.6% | 86.1% | 86.7% |
【理論】
| 全体 | 物化生 | 物理 | 化学 | 生物 | 衛生 | 薬理 | 薬剤 | 治療 | 法規 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 110回 | 58.2% | 45.8% | 37.8% | 53.8% | 39.2% | 49.2% | 73.5% | 67.2% | 62.4% | 70.5% |
【実践】
| 全体 | 物化生 | 物理 | 化学 | 生物 | 衛生 | 薬理 | 薬剤 | 治療 | 法規 | 実務 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 110回 | 66.3% | 57.6% | 53.9% | 49.8% | 69.0% | 71.3% | 77.2% | 61.8% | 69.1% | 55.9% | 67.5% |
『物理』攻略法 計算と公式の習得が突破のカギ!
残念ながら毎年難しいです。足切りを心配する人が多いですが、物理・化学・生物の3つを足して足切り判定をしますので、どうしても物理が苦手なのであれば、化学と生物を頑張るという戦略もありです。物理化学は計算をメインに、公式や計算式を学んでほしいです。分析化学は過去問を中心に取り組みましょう。
『化学』攻略法 基礎から固めて、過去問で得点力を伸ばそう
毎年難しいです。だからこそ難易度が低めで取り組みやすい範囲から取り組みましょう。過去問5年分は必ず取り組み、出題パターンを把握することが重要です。
『生物』攻略法 薬理・治療とのつながりを意識しよう
生物分野の中でも、分子生物学や機能形態学は薬理や治療と密接に関連しています。そのため、単独の知識として覚えるのではなく、「どの薬と関係するか」「どの疾患や治療につながるか」を意識しながら学ぶことで、理解が深まり記憶にも残りやすくなります。
『衛生』攻略法 知識を使う問題に慣れよう
以前の衛生分野は暗記中心でしたが、近年は知識を使って考える問題が増加しています。そのため、暗記だけでは対応が難しくなるケースも多く、模擬試験の新規問題(新問)を多く解き、解き方のパターンに慣れることが重要 です。
『薬理』攻略法 作用機序を軸に体系的に覚えよう
自律神経系に関する受容体の働きが他の範囲の作用機序にもつながるため、機序と作用を確実に覚えてほしいです。また、得点源になる科目でもあるので、カタカナが多いですが、気合を入れて暗記を頑張ってください。
『薬剤』攻略法 ADMEと相互作用をしっかり押さえよう
ADME(吸収・分布・代謝・排泄)や相互作用の理解がとても重要です。過去問をしっかりと理解しておくことで得点しやすい科目ですので、苦手意識を持たずに取り組むことをおすすめします。
『病態・薬物治療』攻略法 重要疾患を確実に押さえることが鍵
まず重要8疾患をしっかりと理解することが非常に重要です。
特に悪性腫瘍と感染症は頻出であり、確実に得点につなげたい領域です。また、難問にこだわらず、取れる問題を確実に取りにいく姿勢が大切です。
『法規・制度・倫理』攻略法 確実に得点源にしたい科目
しっかり取り組めば得点源にできる科目です。しかし一方で、「後でやろう」と思っているうちに後回しにされやすく、勉強し忘れが起こりやすい科目でもあります。計画的に学習することで、確実に得点につながる科目になります。
『実務』攻略法 実習経験を活かし、落ち着いて取り組もう
実習での知識も問われるため、さまざまな場面を思い出すことも大切です。計算問題も出題されるので止まってしまうかもしれませんが、基本的には易しめの問題が多く、落ち着いて見直せば十分に解ける内容です。
効率的な勉強法
正答率の高い過去問は必ずマスターしよう
正答率60%以上の問題を確実に取れたら合格できます。難しい問題に時間をかけず、取れるところを取っていきましょう。
直近3回分の合格点と正答率60%以上の問題数
| 回数 | 合格点 | 正答率60%以上の問題数 |
|---|---|---|
| 108回 | 235点 | 261問 |
| 109回 | 210点 | 226問 |
| 110回 | 213点 | 230問 |
模試を上手に活用しよう
模擬試験は、いわば"未来問"です。過去問が「出題委員からのメッセージ」だとすれば、模擬試験は「ここが狙われるかもしれませんよ」と教えてくれる未来の出題予測のような役割を持っています。応用力を付け、様々な角度からの問題に対応できるようにするためにも、模擬試験は2社以上の予備校のものを受けましょう。
専門家のサポートを取り入れよう
卒業延期や国家試験不合格には、要領が上手くつかめない・大切なポイントがずれてしまう・勉強が作業化してしまうといった、何かしら理由がありますが、本人は一生懸命なので改善しにくいです。メディセレでは、やるべきことの絞り込みと一人ひとりの改善点の発見・指導を徹底しており、その結果、創業から18年間、業界トップの合格率を維持しています。最後に合否を分けるのは、どれだけ良問をアウトプットできるかです。直前期には問題演習講座も開催しますので、不安な方はぜひ一緒にやっていきましょう。
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