第111回 薬剤師国家試験の全体総評

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薬剤師国家試験は毎年出題形式や難易度のバランスが変化し、その年ごとの特徴を正しく把握することが合否を左右します。第111回薬剤師国家試験を受験して、「今年は難しかったのか」「理論と実践ではどちらが厳しかったのか」「合格ラインはどのあたりになりそうか」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。本記事では、薬剤師国家試験予備校メディセレ代表・児島 惠美子氏による分析をもとに、第111回薬剤師国家試験の全体的な難易度、前回試験との比較、出題区分別の傾向、そして合格ラインの目安について詳しく解説します。自己採点後の判断材料として、また今後の学習や進路を考えるうえでの参考として、ぜひご活用ください。

第111回 薬剤師国家試験の全体総評

試験全体の難易度

第111回薬剤師国家試験は、必須問題については例年と同程度の難易度であり、全体として大きな難化は見られませんでした。一方で、理論問題は比較的取り組みやすい内容であった反面、その分、実践問題はやや解きにくいと感じた受験生も多かったと考えられます。理論問題で得点しやすかったかどうか、また実践問題でどこまで対応できたかが、合否を分けるポイントになった試験であったと言えるでしょう。

第110回薬剤師国家試験との比較

第111回薬剤師国家試験では、第110回と比較して、図やグラフを用いた問題が28題と非常に多く出題されました。また、計算問題についても17題と多く、設問の内容を正確に読み取り、情報を整理したうえで解答する力がより求められる試験であったと言えます。

出題区分別の難易度

必須問題

必須問題の難易度は平年並みであり、第109回薬剤師国家試験のように足切りで不合格となる受験生は、ほとんどいないと考えられます。基礎的な内容を確実に押さえていれば、十分に対応できる構成でした。

理論問題

理論問題は、例年と比べると全体的に解きやすかったと考えられます。物理・化学・生物が難しい点は例年通りでしたが、今回は特に薬剤分野が難しく感じられた受験生も多かったのではないでしょうか。

実践問題

実践問題は、例年よりも難しく感じた受験生が多かったと考えられます。特に衛生分野では計算問題が6問も出題されており、想定以上の計算量に戸惑った受験生も多かったのではないでしょうか。

合格ライン分析(メディセレ社調べ)

平均点から見る合格ラインの目安

速報時点での平均点は235点でした。第105回薬剤師国家試験では、速報時の平均点が234点で、最終的な合格ラインは213点でした。また、平均点は毎年、速報時からおよそ6点程度下がる傾向があるため、現時点では平均点は230点前後になると見られます。

正答率60%以上の問題数

メディセレの自己採点システムの結果を見ると、正答率60%以上の問題は232問ありました。これは第106回薬剤師国家試験と同じ問題数であり、当時の合格ラインが215点であったことから、今回もその前後になる可能性が高いと考えられます。

禁忌肢と必須問題における足切りライン

自己採点が終わると禁忌肢の選択状況が気になるところですが、現時点では禁忌肢を選んでいる受験生はいるものの、2つ以上選択している人はいないため、大きな問題にはならないと考えられます。

10年間の正答率比較(必須)

10年間の正答率比較(必須)

10年間の正答率比較(理論)

10年間の正答率比較(理論)

10年間の正答率比較(実践)

10年間の正答率比較(実践)

領域別の出題傾向と内容

最新トピック・時事問題の出題状況

医療ドラマ「アンサング・シンデレラ」で取り上げられた症例に関連する内容が出題されました。また、刑事ドラマや漫画などでも扱われるスイレンの毒に関する問題も出題され、時事性を意識した設問が見られました。

物理

物理分野では、3年連続で必須問題に計算問題が出題されており、今年も計算力の重要性が改めて示された内容でした。

化学

化学分野では、生薬末を光学顕微鏡で観察した写真と問題文からシャクヤク末を選択する問題が出題されましたが、非常に難易度が高い設問であったと考えられます。

生物

今年度は化学分野が難しかったこともあり、物理・化学・生物の合算による足切りを回避するためにも、生物分野で確実に得点しておく必要があったと言えます。

衛生

衛生分野では、実践問題において計算問題が多く出題され、想定以上の計算量に不安を感じた受験生も多かったと考えられます。

薬理

薬理分野では、これまで国家試験で出題されたことのない初出題の薬物が散見され、受験生にとって対応が難しい内容も含まれていました。

薬剤

薬剤分野では、問題文が3ページにも及ぶ設問が出題され、情報量の多さに戸惑った受験生も多かったと考えられます。

病態・薬物治療

病態・薬物治療分野では、単一疾患ではなく、複数の疾患を併発した症例を扱う問題が増加し、より臨床的な判断力が求められました。

法規・制度・倫理

法規・制度・倫理分野では、「ラポール」といった心理学用語も出題され、周辺知識まで理解しているかが問われる内容となっていました。

実務

実務分野では、低用量ピルの服薬指導について、写真を用いた具体的な場面設定の問題が出題され、実習経験が活かされる内容でした。

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